アイデアの枯渇


今回の小室哲哉の引退発言には驚かされた。

彼の発言について驚いたのではなく、その引退についての生活者の反応についてである。

所謂文春砲にやられて『天才が殺された』的な発言が目立ったこと、これが意外だった。

テレビやネットで活躍する識者、例えばホリエモンなども小室哲哉の才能(昔はもとより今も)を擁護していた。

ホリエモンと言えば、読売新聞社主に対してなどが有名だが『老害』を訴える代表格みたいは人。

60にもなる人は一般的には現場を離れている人が多く、それこそ『老害年齢』である。にもかかわらず本件についてはそう語っていないことから見れば、彼のポジショントークが見て取れる。ちなみに僕は老害という言葉が大嫌い。失礼にも程があると感じている。

さて、小室哲哉の引退。
彼はアイデアや発想が枯渇してきているという話しをした。そして普通のサラリーマンに定年年齢があることから考えてもやはりこれ以上素晴らしいクリエイションが出ない不安があると言っている。見方によれば不倫報道を薄めるための戦略的なトークにも見えるが、僕は不倫はあっただろうと思いつつも、アイデアの枯渇についてはそうなんだろうな、と思う。

自分の親を見ても、大抵の定年間近の人などを見てもキレ味は極めて衰えている。それはその年齢になれば次代に様々なことを継承していかざるを得ないことで、やるべき大事なことが減ってくることでそうなって行くのだと思う。

アーティストの場合でも、若い頃のように夜中まで遊び呆ける、なども含めて様々なことに触れ、感じるなどの意欲が減退していく傾向は、歳を重ねて家庭を持つなどで増えていくはずだ。恋愛から離れればラブソングはなかなかリアリティを伴わなくなるだろう。若い気持ちも薄れていく。ましてや小室哲哉の場合は介護をしていたのであれば顕著だ。

悲しいかな人間は日に日に自分でも感じられないレベルで衰えていっている。

経済的にはその日のために仕組みを作るなどが大事で、小室哲哉の場合は印税という強力な仕組みが出来ている。詐欺事件の事は置いておいて。

もしかしたらアイデアの枯渇ではなく、あれだけのセールスを記録した彼にとっては、もしかしたらどんな素晴らしい曲を作っても音楽が売れない時代では数字では昔を超えられないジレンマが引退を決意させたのかましれない。

なんとなく一年二年でもう一度やると言ってきそうなところもあるが、少し長めに家族とともに過ごしてリスタートして欲しい。

東京ぎりぎり通信

芸能、マーケティング、メディア関連、インターネット関連、カルチャー(特に東京)関連、就活関連が専門分野。 世の中のいろんなことをギリギリなところまで語ってまいります。

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